茶道を始めて許状申請を進めていくと、そのうち先生から「淡交会への入会」のお話が出てくるかと思います。はじめは、「…淡交会ってなんぞや?」「…入会って?」と疑心暗鬼になってしまうやもしれませんが、
ご安心ください。
淡交会は怪しい宗教団体ではありません。れっきとした一般社団法人で、今日庵がバックについている安心安全・健全な組織。年会費などもきちんと決まっております!
淡交会って何?
- 淡交会は一般社団法人・正式名称は茶道裏千家淡交会
- バックは裏千家・今日庵
- 全国的な組織(国内17地区、165支部・2支所、海外111か所(37か国・地域))
- 年会費は公式HPで確認可能
- 入会タイミングは決まっている
- 妹組織として「青年部」がある
コンテンツ
淡交会の目的
淡交会の目的について、公式HPには以下のとおりにあります。
淡交会は、家元指導方針を遵守し、裏千家茶道の基本的な点前作法を全国的に統一し、茶道文化に関する諸種の調査研究を行うとともに、同門の相互協力と親睦をはかり、日本文化の興隆発展に寄与することを目的としています。
かみ砕いていうと、先生それぞれで教えるお点前が違わないように、きちんとお点前決めてるよ。あと、同門同士、たまには仲良くお勉強・楽しいイベントを行って、和気あいあいやっていきましょうってことですね。
いつ入会するの?
行之行台子以上の許状(つまり上級以上)を申請・取得するときです。(基本的に)
公式HPには以下のとおり記載されています。
1.入会資格
行之行台子以上の許状を取得されている方は、「正会員」以上の規定の会員種に在籍していただきます。
しかしながら、申し込み方法の箇所にはこう書いてあります。
3.申込み方法
入会ご希望の方は所定の入会申込書に必要事項を記入し、所属する支部(所)に提出いただきます。
・・・・ん?
これはつまり、入会ご希望されない方はしなくてよいってことでしょうか?
すみません。よくわかりません。爆
世界に広がる巨大組織!
巨大な組織なので、活動は支部ごとに行われることが多いです。しかし、たまに様々な支部が集まって行われる大きな催しもありますよ。
国内では1つの県に数支部あることもあり。東京のような大都市になると、確か10数支部まで存在していたような・・
他の支部の方と交流する機会、普段はほとんど無いので、たまの機会には新しい発見があります。

入会のメリットは?
淡交会に入会するとと具体的に以下の特典が受けられます。
- 支部の研究会・講習会の受講
- 支部の総会・茶会等行事への参加
- 淡交タイムスの購読
- 淡交共済
- 宗家行事・講習会等への参加
- 利休御祖堂参拝と茶室拝観
- 茶道資料館の割引鑑賞
- 全国のホテル等の優待利用
①支部の研究会・講習会の受講や、②茶会などの行事への参加はお茶を愛する人間にはとてもありがたいものですね。
以前も書きましたが(*お稽古ごとの茶道あるある)、先生によって、お点前で重視するポイントが異なっていたり、普段のお稽古では曖昧になっているビミョーなことが、この講習会で今一度こっそり確認できます。
そりゃあ先生だってね、間違えたお点前を教えてしまうことだってあるんですよ。にんげんだもの。(相田みつを)
しかし、この講習会は絶好の機会。先生との間に波風立てることなく、自身が普段抱えるもやもやした疑問を解決できちゃうのです。
③淡交タイムスは「淡交会総本部の広報活動の一環」と説明され、なんだか堅苦しい印象を受けますが、実はなかなか読み応えある月間冊子です。Hanaは、毎月、表紙の美しい写真、冒頭のお家元・大宗匠のおことばを楽しみにしています。
茶道の世界に身を置いていると、そりゃぁ見たくないものまで色々見えてくる、聞きたくないことまで色々聞こえてきます。
そんな中、「一体何が正しいのか?」を考えるのに、お家元・大宗匠のおことばが道しるべになるのです。毎度、深く考えさせられています。
入会費・年会費はいくら?
入会金は1,000円です。
年会費は会員の種類によって異なります。
入会直後、正会員のときには年会費は3,000円とそれほどの額ではないのですが、次の終身正会員では年会費は10,000円に跳ね上がり、以降、許状の格と比例するように上がっていきます。
会員種 | 許状資格 | 年会費 |
---|---|---|
正会員 | 行之行台子以上の許状を有する方 | 3,000円 |
終身正会員 | 真之行台子以上の許状を有する方 | 10,000円 |
終身師範会員 | 茶名、準教授の方 | 20,000円 |
特別師範会員 | 教授以上の資格を有する方で、理事会の承認を得た方 | 30,000円 |
特別維持会員 | 数寄者または知名士で、 理事会の承認を得た方 |
20,000円 |
これを高いと思うか、安いと思うかはあなた次第です・・。
講習会などの行事にフルで参加すると考えると大変お値打ちだと思います。一方、特典を全く利用しないという方にはやや高く感じるのではないでしょうか。
講習会などは平日の昼間に行われることも多く、お仕事を持たれている方は、参加したくてもなかなか参加できないというのが現状かと思いますので。
「本気でお茶を学びたいなら、仕事を休んで参加している人も・・・」という方いらっしゃいますが、実際難しいですよね。。
この年会費がかかるのも「茶道はお金がかかる」といわれる所以の1つかもしれませんね。

妹組織・青年部の存在
余談ですが、淡交会には、妹組織にあたる青年部というものも存在します。
こちらの青年部は許状の階級にとらわれず、茶道を愛する50歳以下の方ならば誰でも入会することができる、比較的オープンな組織です。
姉組織と同じように、支部が多数存在しており、親先生が所属している支部に所属することとなります。
年会費は青年部という名に相応しく、一律3,000円です。
ちなみにこちらは入会を選ぶことができるため、社中の中で入会している人・していない人といる場合があるようです。
青年部に先に入会すると、行之行台子以上の許状を取得したときに、年会費がダブルで発生するという状況が発生します。
青年部への入会も、イベントなどに参加する時間が取れる方は良いと思いますが、週末も忙しくて時間がない!って方は入会しなくてもよいかなぁ、とぶっちゃけ思います。(*茶道人口は年々減少しているので「社中の皆さんを誘ってください!」って上(役員)の方は度々言われるのですが、「いや、役員のあなたがそんな高圧的な茶人だったらメンタル強い子しか誘えないじゃん。」って思ってます。入会したら、茶道面倒臭い・・ってなるだけですもん。ナイショ。)
Hanaが思う淡交会に入ると良いこと・良くないこと
1.社中以外の茶道仲間に出会えるということ!
日常生活ではなかなか茶道を趣味にしている人に出会うことはありませんよね。ですが、淡交会では全員が茶人!この大勢の人の中から、気が合う仲間を見つけれた日には、もう最高な気分。茶道がもっと楽しくなります。
2.お点前の正解を知ることができる!
講習会ではきちんと業躰先生が指導くださいますので、本家本元、正解のお点前が分かります。先にも書きましたが、普段は曖昧になっているお点前の疑問点も、この講習会でしっかり解決できます。
おまけ:良くないこととしては、やはり、気の進まない方とのお付き合いが発生する可能性があることでしょうか。支部・全国となったら、そりゃあまあ、どっひゃぁ~とひっくり返りたくなるような茶人もたくさんいるわけです。その方がまたエライ先生だったり、取り巻きを沢山抱えてらっしゃる方だったら、付き合うのもそりゃあ大変なわけです。