七事式(しちじしき)ってなに?
いうなれば、普段のお稽古の総復習です。足の運び、お茶の点て方、花の入れ方など、茶道に必要とされる様々な要素を練習することができます。

本には以下の通りあるよ。
お茶には「人をもてなす」接待の手段というだけでなく、点前を通して自身の心と体を鍛える「道」としての在り方が基本にあります。「七事式」は、茶の湯の「道」を極める手段として江戸時代中期に制定された修練法です。
阿部宗正 七事式(裏千家茶道) 花月之式(上) (茶の湯の修練5)より
七事式の種類
では七事式には一体どんな種類があるのでしょうか?裏千家点前教則「七事式」に掲載されている七事式を挙げてみました。
- 平花月之式
- 炭付花月之式
- 濃茶付花月之式
- 結び帛紗花月之式
- 壺荘付花月之式
- 軸荘付花月之式
- 香付花月之式
- 投込み花月之式
- 貴人清次花月之式
- 貴人清次濃茶付花月之式
- 四畳半花月之式
- 且座之式
- 東貴人且座之式
- 員茶之式
- 茶カブキ之式
- 一二三之式
- 廻り花之式
- 廻り炭之式
- 花寄之式
- 仙遊之式
- 雪月花之式
- 法磨之式
- 三友之式
- 唱和之式
まるで巻物のように連なっており、な・・なんと、全部で24種類!!
人数が揃わないとできませんし(5名必要)、他のお点前のお稽古で忙しいし、となかなかチャレンジする機会に恵まれない七事式。
しかし、どっこい。普段のお稽古の総復習として、定期的に行うと、あなたの普段のお点前がグングン上達するのです!
七事式でお点前がどんどん上達する理由
例えば、平花月之式では・・
基本となる平花月之式(ひらかげつのしき)でお話します。
平花月之式では、「薄茶点前」でお茶を4服点てます。つまり、薄茶点前を4回お稽古することになります。
特徴的なのは「折据お回しを・・」の折据(おりすえ)。
この折据はくじ引きのくじが入っている箱みたいなもの。
「月」、「花」、「一」、「二」、「三」の文字が書いてある5枚の札が入っています。
「月」は正客役、「花」は亭主役の札ですね。「一」が次客で、番号順に3客、4客と続いていきます。点前をする亭主は札で決めるので、必ずしも1人の人間が4服のお茶を点てるわけではありません。
しかし、油断は禁物。なぜなら、次にどの役割になるかがわからない!
つまり、次に自分が亭主や正客の役割に当たるやもしれませんので、普段のお稽古のときとは比較にならないくらい(←ダメじゃん)、亭主役のお点前を、目を皿のようにして、まじまじと見つめることになります・・。
この「まじまじ見つめる」、そしてすぐに実践の機会がやってくる、この2点が七事式でお点前がどんどん上達する理由です。
大げさだ、と思われるかもしれませんが、これ本当です。
七事式は、慣れると爽快で面白いお稽古。
お点前がきちんとわかっている者同士で行う七事式。
それはそれは、たったかたったかと、スムーズに事が運んで、わずか20分程度で1サイクル(平花月之式だと4服点てる)が終わるらしいです。
これが慣れない者同士となると、「足の運び」やら「折据の回すタイミング」だとか、あーでもないこーでもない、と言いながらやるので、小1時間程かかることもしばしば・・・。
「月」(正客役)になれなかった人は、喉が渇いて干からびるわ、席変わりのなかった人は足がしびれるわ、で、お稽古が終わるころには大体皆さん疲れ切っています。
そんな花月之式ですが、スムーズに進めば、席中のみんなが阿吽の呼吸で一斉に動くので、とても爽快なゲームのような感覚になります。
是非、定期的に「七事式」のお稽古を行って、お点前をしっかり・ちゃっかり覚えちゃいましょう。
24種類ある七事式、教則本がたくさんある。

バイブル 「点前教則本」ではなんと8冊!他にもたくさんの解説本があるよ。