茶道をやめたいあなた、

これは「茶道をやめたい。」と思っているけど、なかなかふんぎりがつかないというあなたに向けて書いています。

茶道をやめたい茶人たち。
先日、昔から一緒にお稽古をしていたお友達が、お稽古後に呟いたのです。
「・・もうやだ。・・やめたい。」
お友達の目には涙が浮かんでいました。
「やはり悩んでいたのだなぁ・・」と。その社中のお友達の様子を、Hanaもずっと気になっていました。
ここ2-3年、やっぱり全然お点前がスムーズにできなくて、お稽古中も心ここにあらずだなぁ〜と。許状が上・上へと進むにつれて、やはり覚えることが多すぎて、複雑すぎて覚えられなくなっていたのです。
これはきっと四ケ伝あたりのお点前から、誰しもが抱える問題だと思います。

1. 複雑すぎるお点前に挫折
これ、「茶道をやめたい」と思う大きなきっかけの一つだと思います。
以前も書きましたが、上・上のお点前になってくるとお点前本当に複雑なんですよね。先生でさえ、「あれ?どうだったっけ?」と思い出せないことしばしばではないでしょうか。
上のお点前になってくると、茶人バイブルの点前教則も販売されていないのです。つまり、全て自分と先生の記憶に頼るしかない、という、もはや何でもあり!の領域に入ってくるのです。

四ケ伝以上のお点前、初めから最後まで全て通しですらすらとできれば問題ないのだと思います。
しかし、例えば、思い出し思い出し、先生も「あれどうだったっけ?」「あ、やっぱり茶碗が先だった!」な〜んて、行ったり来たりしながらやっていると、悲惨・・。
足は痺れるわ、脳の記憶メモリはオーバーするわ、順序おかしくなって、結局何が正解だったかわからないままお稽古が終わり、お稽古後はぐったり感しか残らない、というカオスな状態に陥ってしまいます。

そりゃあね、やめたいなって思うと思います。
時代が変わって、比較的若い茶人たちのほとんどは、フルタイムで仕事をしながらお稽古に通っているという人たちではないでしょうか。
フルタイムで働いていると、平日なんて、自分の自由時間、ほとんどないですよね。定時後には脳はブドウ糖足りていない状態。
「あー、もう何も考えたくない。あったかいお茶飲んでぼーっとしたい。」
ってのが、ほとんどの働く茶人たちの気持ちだと思います。
そんな状態のときに、急いでお稽古に向かい、また脳をフル回転させて、破片となった記憶を必死に集めながらお点前し、先生から叱られながら、社中たちの目に晒されながら・・堪え難い苦痛・・
→あれ、私、何のためにお茶やってるんだっけ?→お茶が楽しかったからじゃないの?
・・・え?楽しくない・・→やめたい。
という感じになっちゃってるのでは?
そんなあなたにHanaから言いたいことがあります。
まずは、
きょうもお仕事お疲れさまです!!

毎日一生懸命働いてる、家族のことを面倒みている。それだけで十分にすごいことだとHanaは思います。
お点前が思い出せなくて、覚えれなくて、「つらい・茶道やめたい・楽しいことしたい。」と思っているあなた自身を責める必要は、全くありません。そう思うことは逃げではありません。
こういった状態にあるとき、きっと茶道をやめても良いのですけど、いや、でも社中の皆んなのことは好きだし、美味しいお菓子は食べたいし、と思っているあなた。
茶道をやめる必要はありません。
一時休止しましょう。

大学でもありますよね。休学制度。あれを使いましょう。
先生に正直に伝えても良し。正直に話すことによって先生を悩ませたり心配させたくない、という方は、色々理由をつけて、ちょっとお休みしてしまいましょう。
それは悪いウソではありません。大好きな先生やきょうだい弟子に、あれこれ心配させたくない、と他人のことを思いやれる、既に立派な茶人の心を持っているステキなあなたです。
そして休止ではなく、やめたいと思っている方は、OK!ポンッとやめてしまいましょう。大丈夫。習いごとの茶道は、いくつになっても復学できます。
仕事が落ち着いた、子供が大きくなった、定年して自分の自由時間が増えた。そんなときに、また茶道やりたいなぁ。と思ったら、またそのときに、門を叩けばよいではないですか。
そのときは、今はわからなかったこと、見出せなかった楽しみに出会えるかもしれません。
そして、「いや、茶道はやめたくない。だけどお点前わからない・・」という方は、
インターネットを見ましょう。

今や、Youtubeやお茶の先生のブログなどで、かなり幅広いお点前を勉強できる時代です。Hana個人の意見ですが、お点前を1から10まで、自分の記憶にだけ頼って覚えることに、特段の意味は無いと思っています。(やば・・)
それよりもっと大切なのは、
お茶の心・茶人の心。
そしてそれから派生していく、人と人の対話・関係性だと思うのです。
他人を思いやり、誰かの幸せを願うことは人間にしかできないステキなこと。殺伐として、自分の家族以外のことなんてどうでもいい、という価値観が増えている世の中で、お茶の道が気づかせてくれることがたくさんあると、Hanaは思うのです。
2.お金の問題。
「よくわからないお金のやり取りが発生する。なんだか腑に落ちない。」「出席していないお茶会の参加費用を徴収される・・」「社中に聞いてみたら「そういうものだから!」とだけ言われる。」
こういったお金にまつわる問題も “茶道をやめたい” と思うきっかけの一つだと思います。こういうケースでは、選択は一つ。
今すぐやめましょう。ブラック企業と同じ、ブラック教室です。
そしてホワイト教室に変更しましょう。あなたがお茶を続けるならば、どこかでまた出会うこともあるかもしれませんが、会っても大丈夫。ニコリと会釈しておけばOKです。

そして新しい教室の先生には、事情をひと言お話しておくとよいと思います。狭い茶道の世界、そういったブラック教室は大体先生の人格が問題になっているので、「あ~やっぱりね。」と、新しい先生も納得される場合が、ほとんどだと思います。爆
