色々 / Others

お茶会のお手伝いであなたのお点前はみるみる上達する。

茶道のお稽古をはじめて、しばらくすると、普段のお稽古の一歩先の世界に足を踏み入れる時がやってきます。それは、お茶会・茶事 です。お稽古の集大成です。

 茶事とは?

茶事とは茶懐石(お食事)を伴うお茶会のこと。懐石・薄茶席・濃茶席と全てが含まれています。

茶事はお茶会のことですが、近年では数百人規模の大寄せ茶会があることから、少人数で行うお茶会のことを茶事というようになったそうです。(間違えていたらすみません)

師事している先生が釜をかける(お茶会の席を担当している)と先生のお手伝いが、11月には口切の茶事、1月には初釜、と一般的な教室でも茶事の機会はたくさんあります。

茶事の種類 (一部)
  • 口切 (くちきり)11月、新茶の壺の口切を祝う。
  • 夜拙 (よばなし)炉の季節、夕暮れ時から行う。
  • 暁  (あかつき)炉の季節、夜明け前から行う。
  • 初風炉(はつふろ)風炉の季節、5月に行い季節を楽しむ。
  • 朝茶 (あさちゃ)朝の茶事。
  • 名残 (なごり) 風炉の最終月、10月に名残惜しんで行われる。

お稽古ではなかなか目にすることのない茶道具の取り合わせ・季節を感じる豪華な懐石料理・初めて飲む茶舗のお茶や初めて食べるお菓子、彩どり豊かなお着物など、お茶の楽しみが全て詰まっているのがお茶会・茶事です。

お茶会・茶事に参加するのは楽しみであると同時に気が引き締まるもの。普段のお稽古がいかに大切だったか、身に沁みて分かる機会です。

そしてそれは、主催者のお手伝いとして参加する側になった場合、より一層身に沁みるものとなります。色々な意味で洗礼を受けるんですよね。

しかしながら、「お手伝いなんて嫌!」とはじめからNOを突きつけるのではなく、まずは「えいや!」の気持ちで一度参加してみることをお勧めします。

何故なら、会・茶事のお手伝いをすることで、あなたは茶人としての一歩上のスキルを手に入れることができるからです

お茶会のお手伝いって、どんなことするの?

お茶会・茶事のお手伝いは、その名の通りです。お茶会・茶事を開催するにあたり必要なこと、ゲストをおもてなしするのに必要なこと、全てを行います。

お茶会・茶事のお手伝いとしてすること
  • 庭を整える(露地・簾の掃除・つくばいの準備)
  • 待合・本席に敷物(毛氈)を敷く
  • 床の間に掛け軸を掛ける
  • 床の間や待合の花を活ける
  • 莨盆(たばこぼん)の準備
  • 茶道具の準備(道具を清める・茶碗を温める等)
  • 灰・炭・釜・お湯の準備
  • お茶の準備(ダマを除くため、ふるいにかける)
  • お菓子の準備(盛り付ける)
  • 懐石の準備(なかなか自前のところは無いかと思いますが・・)

茶会・茶事が始まったら・・

  • お点前
  • 懐石・お菓子・お茶・をお客様に運ぶ
  • 懐石の食器・菓子器・茶碗を下げる
  • 水屋仕事(お茶を点てる・茶碗を洗うなど)
  • 道具・お茶・お菓子の問いに答える(たまにある)

などなど、これらはあくまでほんの一部です。

お手伝いは裏方です。しかし、どこの世界も同じで、裏方無くして物事の成功は無し。そのお茶会・茶事の成否はほぼこのお手伝いに掛かっていると言っても過言ではありません。

いかがでしょう。これらの項目をみると、普段のお稽古の成果を全て試すことができる+更なる修練の場がお茶会・茶事のお手伝いであることが一目でわかりますよね。

Hanaの最初のお茶会のお手伝いは、Hanaの先生が亭主として釜をかけたお茶会でのこと。初めての時は、知らない人の前でお点前をすることに緊張して、お点前の練習に集中していましたが、実は点前以外のことの方がわからないことが多く、「普段もっとちゃんとお稽古しておくんだった!」と後悔し、猛省したものです。

お茶会・茶事に参加するために、お点前・お菓子やお茶の出し方・お辞儀の仕方・着物の着方など、様々なことを今一度練習することになります。朝は早いし、たまに怒られるし、何で趣味の世界なのにこんなに大変な思いしなくちゃいけないの・・って最初は思うんですよね。

Hanaもそうでした。しかし!気乗りしないままお手伝いをすることしばし経った頃、お茶会のお手伝いをすることにより自身にたくさんのメリットがあることに気づきました。そしてそこからは、毎回、「やるぞ~」と前向きな気持ちで、お手伝いに参加しています。

具体的には以下のメリットを感じています。

Hana
Hana
お茶会・茶事のお手伝いを行うことで得られるメリット
  • 着付けの練習ができる
  • 季節に合わせた茶道具の取り合わせの知識が増える
  • 各々の道具の扱い方を今一度覚える機会である
  • お点前を今一度しっかり確認する機会である
  • 水屋の仕事を覚えることができる
  • 普段会う機会のない人と会うことができる
  • お手伝い同士の絆がグっと深まる(社中同士なら尚の事です)
Hachi
Hachi

全て本番ありきだから、身の入り方がやっぱり異なるよな。

もちろん、お稽古はいつも本番と同じつもりでというのが常ですが、そうはいってもやはり人間。普段のお稽古では「ま、次でいっか。」ってこともしばしば。

しかし、お茶会・茶事は全てがお稽古の本番のようなもの。やはり真剣さが違いますので、その一日は怒涛の間に過ぎ去っても、本番をこなした経験値は確実に残り、全てあなたの血肉となっていきます。

ゆっくりと、でも確実に。しかしながら、そのことに気づくのは、おそらくしばらく経ってから・・・。

是非、お茶会・茶事のお手伝いをガンガンこなして、茶人としての階段を確実に上って行きましょう。数回、数十回と経験すると、「お手伝いをしていたからこそ」と思える瞬間が確実に増えていきますよ。