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千家十職 袋師友湖 土田半四郎氏の仕事

Hana
Hana

千家十職 袋師友湖 十三代土田半四郎氏の講演会に行ってきたよ。

千家十職の一つである袋師友湖。千家十職は千家の茶の湯の道具をつくる十英傑の職人です。

袋師である友湖の初代半兵衛は、元を辿っていくと、彦根藩主 井伊直弼の鉄砲隊の組頭だったそうです。また、友湖は隠居名で、当代が半四郎の名を名乗るのだそうですが、その昔は早世する家系だったようで、友湖の名を名乗った先祖は少ないそうです。 当代は12代の長男として半四郎の名を引き継がれています。

弟子がたくさんいらっしゃるのかなぁと思っていましたが、どうやら家族経営で弟子は1人もいないとのこと。以前は先代と先代夫人、奥様と4人で作業されていましたが、今はほとんど奥様と2人でこなされているようです。

先代は隠居されてからも、仕事をしているのが一番ストレスがかからないそうで、今でも色々なものを製作されているそうですよ。

千家十職としての袋師として、茶道具の仕覆だけではなく、数寄屋袋・懐紙入れ・釜敷など、お茶周りの糸に関するものは全て製作されているそうです。

お家元好みはどうやって生まれる?

例えばお点前に使う棚やお茶でも「○○代家元好」というものがありますよね。これはそのままの意味で、御家元が好んでお好みに指定するものと、逆に職人側から「良いものができたので、好みにしていただけないか」と家元のもとに持っていくものとあるそうです。

表千家不審庵 茶の湯「好み物」

千家十職の職家ともなると、家元とも顔なじみで、普段の何気ない会話の中から、新しい作品のアイデアが生まれ、家元好みになるものもあるのだそうですよ。

Hachi
Hachi

先日は中国では吉兆の印とされている「こうもり」の柄を使った仕覆が生まれたんだって。

仕覆をつくる

袋師のお仕事といえば、やはり仕覆ですよね。

仕覆の仕事は袋の底を見ると、その袋師の腕が分かるといいます。そのため、昔の仕覆でも、その仕事ぶりを見れば、それが夕湖の仕事かどうか分かるそうですよ。ちなみに、先先代、祖父の代からは一目で友湖の仕事と分かるように、底に印を入れるようになったそうです。

半四郎氏も他の職人の作品、ひっくり返して見ちゃうんだって。

Hana
Hana

土田半四郎氏の仕覆の製作期間は大体3ヶ月〜半年。

茶入を預かり、まずその茶入れに合う裂を考える。すぐに思いつくものもあれば、なかなか思いつかないものもあり、一度迷うと散々迷ってしまい、裂を出してはしまい、出してはしまいを繰り返してしまうそうです・・。

そしていざ作り初め、形をつくっては、中の真綿を馴染ませるためにしばし寝かしたり、などを繰り返し、完成しても気に入らなければ解いてやり直したり、をしていると、大体この程度の期間がかかってしまうそうです。

Hachi
Hachi

依頼してくるのは目利きの人ばかりだろうから、緊張感も相当なものだよね。

袋師の仕事、実際に使われているお道具を使い、型紙を作るところから、実演・説明してくださったので、一連の流れを詳しく知ることができました。最初から最後まで手先に集中する細かい仕事で、精神統一と忍耐力が伴われる大変なお仕事だということがよくわかりました。

余談ですが、十三代はダンディで男前な方でした!現れたとき、会場がどよめいていました!笑

Hana
Hana
 茶の湯の継承 
千家十職の軌跡
仕覆作りは茶道の楽しみ、暮らしの彩り