雅な1日、お茶会 。
参加する側ならば、ワクワクドキドキ。何を着て行こうかな?誰と行こうかな?
美味しいお抹茶とお菓子を味わって、普段のお稽古では見る事のない、他所様のとっておきのお道具や、趣向に合わせた美しい取り合わせを、間近に見ることのできる機会がお茶会です。
ですが、皆さんはご存知でしょうか。
釜をかける側、つまりおもてなしをする側にとってのお茶会は別の意味でのドキドキ、そしてハラハラ。
そのバックステージはまるで戦場・・。
今回はHanaが体験・目撃したお茶会でのハプニングをご紹介します。
Hanaがお手伝いとして参加したことのあるお茶会は、主に300人以上のお客様が次から次へとお見えになる大寄せです。そんな規模の大きなお茶会だからこそ起こり得た、私が目撃した本当にあった怖い話をここに記します・・。
◇Hanaが経験した茶会事件簿◇
黒文字、銘々皿、数茶碗が無い!
稀に起こります。正客用の茶碗やお点前用のお道具に集中してしまいがちで、これらの準備がすっかり抜け落ちてしまうのですね。「当たり前」と思っても、今一度確認しておくのがよいでしょう。
これらが揃っていないと、本来入れる筈だったお客様を一席に全員入れることができず、茶席の外に、ここはディズニーランドのアトラクションかと見間違えるような長蛇の列が・・。その光景たるや、身の毛もよだつ程の恐怖です。雨、極寒、猛暑の日なら尚更です。
銘々皿と茶碗の数以上のお客様をとりあえず入れて、お客様が食べ終わったら引いて、飲み終わったら引いて、洗って使い回せば良いという方がいますが、これは実のところなかなか難しいです。
やむを得ず試したことがありますが、一席がダラダラ長引いてしまい、間も悪くなりました。
次客がお抹茶を飲み終えてしばらく経ち、手前も仕舞いに入っているのに、手前が終わっても後ろの方のお客様のお茶が出てない・・なんて状態に。
正客も「どうしよう・・」、手前も「どうしよう・・」、で、場の雰囲気がものすご~く微妙になるんです。水屋も気が焦って、しっちゃかめっちゃかです。皆ピリピリして、本当に恐ろしかったです。自転車操業なんですもん…泣
点て出し用の茶筌、茶杓が無い!
これもあります。
手前用の茶筌と茶杓は準備していても、水屋で使う点て出し用の茶筌、十分な数がなく、水屋は何人もいるのにシャカシャカシャカできるのは一人か二人だけという、カオスな状態です。
お客様をかな〜り待たせてしまいますので、大寄せの場合、間をもたせるのが大変・・、雰囲気がどんどん悪くなり、残念なお席になってしまいます。
抹茶をふるう茶漉しがない!
これも稀にあり、とても焦ります。
抹茶はやはり使う前に漉しておかないと、点てたときにダマが出来てしまいます。抹茶はやはり滑らかな喉ごしが大切。ダマダマになったお茶を飲んだ時のガッカリ感たるや・・。
茶漉しは、煎茶用の小さな茶漉しではなく、抹茶用の大きな茶漉しか、小麦粉をふるうときなどに使う料理用の漉し器がよいでしょう。小さな茶漉しだと、たった40gの抹茶を漉すだけでも、1時間くらいかかります…⊙.☉
新しい帛紗がない!
この項目は、お茶会お手伝いデビューしたての頃に多くの人が経験する事件だと思います。
常識ですが、いつもお稽古で使っている帛紗はお茶会ではNGですね。折り目がたくさんついていて、更にお抹茶もついている年季の入ったヨレヨレの袱紗、お茶会では結構目立ちます。
特に茶道の心得がある人には、一発で見抜かれ、自身が恥ずかしい思いをしてしまうので、茶道を始めたら、常に新しい帛紗を1つはストックしておくとよいでしょう。「お茶会前に買えばいいや」と思っていても、直前になるとコロッと忘れているものです。
また、自分は新しい袱紗を準備しておいたとしても、他のお手伝いの人のために、茶会当日には、ストック用の新品の帛紗を持っていっておくと良いです。後輩でなくても、意外に忘れている人はいるので、貸してあげることができます。
新しい帛紗は原則ですが、お茶会の度に購入しなくても問題ありません。(声を大にしてはいえませんが、都度購入していたら結構な出費になってしまいます。)
懐中した折り目がついておらず、抹茶であまりにも汚れていなければ、買った時に袱紗が入っていた箱に、入っていたとおりに四角形に折りたたんで戻しておけば、次回のお茶会でも使うことが出来ますよ。
足袋、めっちゃ汚い!
これもよくあります。忘れがちなんですよね。
お座敷席で正座すると、足袋の裏がお客様から丸見えになる機会がよくあります。
せっかく清々しい気分になる茶室でも、あなたの足袋の裏が真っ黒に汚れていたら雰囲気台無し。普段の生活でもそうですが、白いと汚れが鮮明に目立つんですよね。
お茶会では必ず、白足袋を用意しましょう。本当にお客様によく見られます・・。ネットで買うとお安く購入できますよ。
結構色々あったわね〜・・。

お茶会では、釜をかける側はとにかく準備することが沢山ありますので、1つや2つ、ついつい抜け落ちてしまうことはよくあることです。(見る人が見たらダメじゃんって言われそう・・、いや、ダメなんですけど・・はい)
予め迎えるお客様が決まっている少数名の茶事の場合、落ち着きを持って、じっくりと準備をすることもできるのでしょうが、市民茶会などの規模の大きなお茶会になると、そうはいかないこともしばしば。
準備するお道具の数ももちろんですが、お手伝いの人数も多いため、連絡事項が行き届いていなかったり、「聞いた・聞いてない」、「あの人はこう言ってたけど、この人はこう言ってる」など、意思疎通し合うのだけでも大変です。
「そんなの忘れるわけないでしょ~?」というお茶会の大前提や細かいことでも、案外忘れてしまいがち。
念のために今一度確認しておくことをお勧めします。通常、お茶会は朝早いので、その日に気づいても準備する時間、買いに行く時間がない!ということが多いです。
備えあれば憂いなし。 事前にしっかりと準備して、当日は心に余裕を持って、おもてなしする側もお茶会を楽しめると良いですね。