茶道を初めてもうすぐ10年。
基礎のお点前でも未だ間違え、先生に毎度お叱りを受けております。。そんなHanaのお稽古ライフですが、「茶道を習っている」と話すと、「何が楽しいの?」「どういうところがいいの?」と聞かれることもしばしば。
スポーツや楽器などと違い、“趣味の茶道” は多くの人にとっては、どうやら未知の世界のよう。よくわからない世界、意識高い系という印象があるようです。
そこで、Hanaが茶道をしていて良かったなぁと思うことについて、じっくりと考えてみました。「茶道を習ってみようかな」と考えている方や、「子供にお茶を習わせたいけど・・」と考えている方の、少しでも参考になれば嬉しいです。
茶道を習って良いことがたくさんあったよ!

茶道を習うメリット・Hanaの場合
コンテンツ
「一期一会」と「日日是好日」の精神を知ることができた
1番にこちら。「一期一会」と「日日是好日」の意味を、じっくりと考えるきっかけに出会えたことが、お茶の道に一歩でも足を踏み入れてみて良かったなと思うことです。
「一期一会」「日日是好日」
この2つのことばの意味を “知っている”のと“知らない”のとでは、長い人生、様々なモノの見え方やとらえ方・考え方・そして何より、自身の毎日の過ごし方が違ってくるだろうなぁと、歳を重ねるほどに思います。
一期一会(いちごいちえ)の意味

もちろん、茶道を始める前にも、このことば自体は知っていましたが、その意味について、しっかりと考えたことはありませんでした。
しかし、お茶を習い始めて、このことばに触れる機会が増え、自然にその意味について考えるようになりました。
それはお茶のお稽古の時以外にも。お茶以外の場面での日々の様々なことと照らし合わせるようになっていき、このことばの意味を更に深く考えるようになっていきました。
このことばの意味。
それは、「今日と同じ機会はもう2度と巡ってこない。だからこそ、その場に居合わせた人とのその時間を大切にせよ。」ということ。
「今日と同じ日はもう2度とやってこない」「今目の前にいるあなたに絶対にまた会えるという確証はない」
だからこそ、先延ばしせずに、大切なことはそのときにやる、大切な人にはそのときに伝えるということ。
そして、万が一にでもこの瞬間がこの人と話すさいごになるかもしれないから、後味が悪くなるような別れ方はしない。
まるで戦国時代のようですが、明日何が起きるかわからないのは昔も今もいっしょ。このことを、常に心に留めておくようになりました。

日日是好日(にちにちこれこうじつ)の意味
このことばの意味をじっくり考えるようになってからは、「毎日が同じことの繰り返しでつまらない・・」、と思うことが一切なくなりました。
毎日が良い日。
つらいこと・悲しいことがある日もあるけど、その日その日で小さな幸せや喜びに気づくこと、そうすれば毎日が良い日になるということ、を知りました
良い日だった。とは心から思えない日でも、昨日と同じ今日がやってくる、今日と同じ明日がやってくる、というだけで、実はとても幸せなことなんだなぁと、ある日、自分の中でストンと腑に落ちた時があったのです。

Hanaは「毎日楽しそうだね」ってよく言われてるよな。
四季の変化に気づくようになった。

日本には美しい四季がある!
当たり前だと思っていた、季節の移り変わりに気づくようになりました。
道端にある植物、蕾・花々、太陽や空の高さ、雲の形ー。
季節によってそれぞれに違うことを観察し、それらを楽しみながら、季節の移り変わりを過ごすようになりました。
特に植物。それはそれは季節を忠実に教えてくれることに、とても感動を覚えるようになりました。
冬から春・・そして夏
1月の真冬の凍えそうな日、梅の木には小さく蕾が付き始めていることを発見する。そして「まだまだ寒いけど、もうすぐ春が来るんだ」と気づいて、そのうち可愛らしい梅の花が咲いてくる。
梅の花が咲いて、散り始めるころに 次は桜の蕾。 どんどんと膨らみ、美しい桜が咲いたら、ほんの1週間かそこいらで、花吹雪。
次は、またもや梅の木が「よし、次は自分たちの番だ。」と言わんばかりに青々とした梅の実がたわわと実る。
あー梅の実がなっている。もうすぐ梅雨入りかぁ、そして夏が来るんだな、というように。
毎日歩いている道や景色も違って見えてくるので楽しいです。
雨の日も好きになった。

恵みの雨
「雨の日は嫌だなぁ」
以前は、雨の日っていうのはそんなもの。洗濯物は干せないし、着ていく服も考えないといけないので、外出するのも億劫。
ですが、茶道を始めて数年経ったころから、ふと、「あれ、なんだか雨の日もいいなぁ。」と思えるようになりました。
雨がないとこの世界の生き物は生きていけませんものね。
雨の日の静寂
そして、雨の音が好きになりました。
梅雨の季節、雨のザァーッという音で、雑音が一切かき消され、まるで自分の周りの空間しか存在していないかのような、不思議な気分になることがあります。
そんな時、目の前のことにものすごく集中できたり、普段は思い出さないような昔のことが、意識していないのに、心に浮かんでくることがあります。
それはとても不思議な感覚で、たまに経験するその感覚がとても心地よいです。
日本を好きになった。

お茶は日本最高峰のアート。
もちろん、茶道自体も日本の伝統文化です。しかし、それだけではなく、茶道には他の様々な日本の伝統文化や工芸が含まれています。
「書」(掛軸)・「生け花」・「陶芸」(茶碗・茶入・香合など)・「漆」(棗・炉縁など)・「竹細工」(花入)・「お茶」(抹茶)・「和菓子」・着物
などなど、茶道には日本の様々な伝統や文化がぎゅーっ!と詰め込まれております。
お茶を習い始めてから、それらにも自然と興味を持つようになりました。
茶道の精神はもちろんですが、こんなにも素敵な文化がたくさんある日本という国の良さを再発見することができたのです。
旅行に出かけたときも、旅先に必ず何か関連するものがあるので、旅の目的も増えて、旅をより一層充実したものにすることができるようになりました。
茶道だけでなく、趣味がたくさん増えたよ。

色んな人に会えた。

職業・背景・性格、さまざま!
茶道は何歳からでも始めることができ、また一生続けることのできる趣味です。このため、その世界で出会う人は実に様々。
下から上まで、年齢層も実に幅広く、また普段の暮らしでは話すことのない職業の方とお話する機会が増えて、自身の交友関係、そして視野も広がりました。
お家元や社中の方々はもちろんですが、工芸家の方達など、茶道をしていなかったら一生話すことがなかったであろう、全く違う業界の人の価値観や考えに触れることができました。とても大きなことだと思っています。
大人になってからは、なかなか新しい出会いもなくなりがちですが、茶道を習ったことで、もう1つの世界を持つことができています。
いかがでしたか?

茶道は細くても長く続けやすい趣味の一つ。ちょっとした習いごと、と軽い気持ちで始めてみてはいかがでしょうか?